PO-33 K.O!でレコード(ターンテーブル)サンプリング時の問題(インラインアッテネータ)Teenage Engineering

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2018年に発表されて、いまだに話題が絶えないTeenage Engineering PO-33 K.O!
おそらく世界で一番小さいサンプラ+シーケンサだ。
手のひらに乗るサイズの剥き出しの可愛いやつは、16個のサウンドをサンプルでき、単体でトラックを作る事ができる。本体のマイク、もしくはライン入力から音を録音する事ができるのだが、ライン入力からレコードを録音する時に少し問題があると発言しているユーザーも多い。
以前のレコードとは違い、最近のターンテーブルはラインアウトが付いているものが多いが、そのレベルとPO-33の入力ゲインの値の違いが大きく、音がすぐにクリップしてしまうのだ。実際、入力レベルを見ていると、音が大きい場面になると、右端に張り付いてる瞬間が結構長く見える。

PO-33の入力ゲイン問題

実際著者もレコードをラインでサンプリングをしてみたのだが、やはり歪みが気になった。それが文化で、スタイルという事なのならそれで問題ないのだが、クリーンにサンプリングしたい時にはやはり歪みが気になります。
そこで市販品はないか?と思い探してみたところ、こんなものを見つけました。

FX-AUDIO- AT-02J 高精度 ラインレベル アッテネーター ユニット

これは何かというと「アッテネータ」という箱です。
簡単に言うと、設定した分音が小さくなるボリューム調整専用装置。
本体裏のディップスイッチで希望のボリュームを設定します。

このスイッチで設定する

著者の環境の場合、-10dbでちょうどいい具合になった。ディップスイッチなので、できれば爪楊枝などがあれば便利だが、希望の音量を試せるのは気分的にいいですよね。ただ、この見た通り、ケーブルを両方に挿すタイプなので、もう一本ケーブルが必要になります。大きくないものですが、PO-33を選ぶ方ならわかってくれるとは思いますが、出来るだけものは増やしたくないですよね。

そこで、このアッテネータを使うのではなく、アッテネータ入りのケーブル製作に挑戦しました。

「インラインアッテネータ」とは?PO-33使いには必須のケーブル?

「インラインアッテネータ」と言う名前を聞いた事ない方も多いとは思いますが、簡単な話、減衰量を変えれないボリュームです。先ほどのアッテネータボックスは三段階から減衰量を選べましたが、インラインアッテネータは決めてしまった減衰量から変えることはできません。その分、割り切った使い方、別の言い方をすると専用線として一番素直な音を約束してくれます。当たり前ですね、接点が少ない方が信号の質は上がりますからね。
では次の章では実際に作っていきましょう。

EP-133 K.O.IIにも必須ケーブル?「インラインアッテネータ」の作り方

「インラインアッテネータ」、普通のアッテネータも同じなのですが、仕組みとしては簡単、信号の途中に抵抗を入れるだけです。
ただ、入れ方と抵抗の値によって結果が変わりますので、その辺も解説していきますね。

今回の使用目的、ターンテーブルから直接PO-33に音楽をサンプルする事での使用を考えた時にボリュームの減衰量は-10dbがちょうど良いと言うことになりましたので、今回は-10dbの設定で作り方を解説していきたいと思います。
アッテネータの抵抗の配置の方式は大きく分けて3種類あります。今回はその中でもL字タイプの設定にしてみました。
準備するものは
コネクタ、抵抗
道具としては
ハンダゴテ、ハサミ(カッターナイフ)
くらいのものだ。
抵抗の値は2種類

1/4W (0.25W) 6.8K Ω オーム 6k8 金属膜固定抵抗器
1/4W (0.25W) 4.7K Ω オーム 4k7 金属膜固定抵抗器

計算上ちょうど-10dbの減衰を目指すのなら6837.72Ωと4624.75Ωになるのだが、市販品の値に合わせるとこの2種類になります。

コネクタはこれ

CANARE はんだ式RCAピンプラグ F-10

安定のカナレ製ですね。

ケーブルに関しては3.5mm-ステレオピンの通常のケーブルのステレオピン側を切って使いました。

配線の仕方

ここからは技術くさい話になってきます。
とりあえず配線図を見ていきましょう。

左側から信号が入ってくると思ってください。つまりターンテーブル側ですね。
プラス(+)はピンコネクターの真ん中の棒。マイナス(ー)は縁の方ですね。
右の方はケーブル側です。
実際にできたものがこちら

よく回路図を見ればわかるのですが、両方の抵抗は片方がそれぞれマイナスとプラスに繋がっていて、反対側がつながっています。で、プラス側はその抵抗二つがつながった接点から伸びていて、マイナス側は4.7kΩのコネクター側の接点から伸びています。なので、まずは二つの抵抗の片方を半田づけしてから、それぞれの抵抗のお互いにくっついていない方をコネクターの端子に半田づけすることになります。その際、どちらがどちらの抵抗なのかと言うことはしっかり確認しながら作業をしましょう。
ちなみに抵抗は極性がないので、端子の方向は気にしなくても大丈夫です。

右側のスピーカーの横のつまみはボリューム。本体のスピーカーの音量を調整する。
ライン端子と電源の間にはUSB端子も装備。このライン端子の中に抵抗が仕込まれています。

今回はPO-33へターンテーブルからサンプリングするときの音量問題について書いてみました。最終的には音質の話になるので、歪んでいるのが好きという人がいてもおかしくないと思いますが、通常の方法でサンプリングしたくなったら普通のケーブルを使えば良いので問題にはならないと思います。それより、毎回音が大きい部分はクリップされ、歪んでしまうと言う問題を解決したかったのと、やはりスマートに解決したかったので、今回のケーブル製作は良い結果になったと思います。

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